21世紀のジャズ界から登場した最も魅力的で先見性に富むアーティストのひとり。ジャズ・ピアニスト/作曲家として活躍する彼の影響力は、「世代を代表する才能」「伝統に深く根ざしながらも自然体で真にオーセンティック」と評され単なる演奏活動の枠を大きく超えている。
ノースカロライナ州シャーロットで生まれ育ち、13歳でピアノを独学で始め、最初はレイ・チャールズの音楽に影響を受けた。17歳で第1回マクグロホン・ヤング・ジャズ・コンペティションで優勝、ノースカロライナ大学グリーンズボロ校(UNCG)時代の2017年にそこでレッスンをしていたブランフォード・マルサリスが絶賛して兄ウィントンにも共有、ジュリアード音楽院への出願を勧められて2018年に入学する。その学業のためにニューヨーク市に移り、以降はニューヨークで本格的に活動を始める。
その才能は瞬く間に認められ、2020年には、Netflix映画『Ma Rainey's Black Bottom』のサウンドトラックでフィーチャード・ピアニストを務め、その後も2021年のエミー賞ノミネート作品『Tulsa Burning: The 1921 Race Massacre』や映画『Rustin』に参加した。活動の場はブロードウェイにも及び『Hadestown』や『The Phantom of the Opera』といった歴史的な人気作品で音楽スタッフとして重要な役割を担った。同時期にはハーレムのパフォーミング・アーツ団体、The Soapbox Presentsでの芸術監督も務める。彼が中心となって手がけた看板プログラム「Stoop Sessions」は、やがてハーレムを代表する文化イベントのひとつとして定着した。ジャズ、ファンク、ヒップホップ、R&Bといったアフリカ系アメリカ人音楽の豊かな伝統を横断的に取り上げ、それらをひとつの統一された音楽的ヴィジョンとして提示、その手腕は音楽業界全体からも高く評価された。
2023年には「When You Wish Upon a Star」全米ツアーの音楽監督に抜擢、そしてジャズ・アット・リンカーン・センターのハウスレーベルであるBlue Engine Recordsからリーダーとしてのデビュー・アルバム『The Southern Suite』をリリース。2024年には詩人のマホガニー・L・ブラウンと共同で、ジャズとスポークンワードを融合させたプロジェクト『Chrome Valley』をリリース。同年、ヴォーカリストのキャサリン・ラッセルと共同で、ドット・タイム・レコードから『My Ideal』をリリース、第67回グラミー賞で最優秀ジャズ・ボーカル・アルバム賞にノミネートされると共にビストロ賞受賞。
現在はニューヨーク・ジャズ・シーンの中核を担う存在となり、リンディホップやスウィング・ダンスのコミュニティに根ざした活気あふれる伝統的な現場から、現代ジャズの最前線に至るまで、ジャンルの異なるさまざまなシーンをつなぐ存在となっている。Ideal』をリリース、第67回グラミー賞で最優秀ジャズ・ボーカル・アルバム賞にノミネートされると共にビストロ賞受賞。